三重県多気郡明和町にある 小林農産ふるさと会館(明和町立図書館・明和町立歴史民俗資料館)のホームページです

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おすすめ本の紹介 vol.5

カテゴリ : ■ふるさと会館より

 連日ロシアによるウクライナ侵攻のニュースが報道されていますが、そんな今、小学校低学年くらいのお子さまから大人に読んでほしい絵本を紹介します。

1.「せんそうがやってきた日」 ニコラ  デイビス∥作 レベッカ  コッブ∥絵 長友 恵子∥訳 (E/コ)
 いきなり戦争によってすべてを奪われ、逃げ続けて、やっと見つけた新たな場所でも拒絶されてしまう少女…。少女の目線によるシンプルな言葉で戦争の恐怖をつづり、子供たちへの希望も描かれた作品。
 2020年に出版され、当時はシリア難民の受け入れ問題や過去の争いを思い浮かべて読んでいました。今改めて読んでみると、普通の日常の中に戦争が突然やってくること、ある日を境にそれまで住んでいたところに住めなくなるということが、ウクライナ侵攻の衝撃とともに以前よりも現実的に鋭く心に迫ってきます。

2.「スーツケース」 クリス  ネイラー  バレステロス∥作 くぼ みよこ∥訳 化学同人 (E/ネ)
 ある日、大きなスーツケースだけを持った動物がやってきました。その中には、カップ、テーブルにイス、家まで入っていると言います。それを信じられない周りのみんなは、勝手にスーツケースをこじあけて中を見てしまいます。
中に入っていたものとは…?それを見た周りのみんながとった行動とは…?
 ラストに思いやりや希望が込められた作品です。

 2冊とも何らかの犠牲を強いられた人々や、住んでいた場所から遠く離れなければならなかった人々の苦悩を想像し、自分ならどうするかを考えるきっかけとなるような作品です。

2022-03-11 17:00:00

おすすめ本の紹介 vol.4

カテゴリ : ■ふるさと会館より
来月2月14日は“バレンタインデー”ですね♪とびっきりのチョコレートを楽しんだり、好きな人に想いを伝えたり…?
今回は、そんなバレンタインにおすすめの本を紹介します。

1.絵本『チョコレートをたべたさかな』 みやざき ひろかず∥さく え BL出版  ( E /ミ/)
 チョコレートを食べた時の幸福感や中毒性はきっと多くの方が感じたことがあるのではないでしょうか。そんなチョコレートのおいしさを知ってしまい、世界が変わってしまったさかなの甘くてせつないおはなし。

2.児童書『ロアルド・ダールコレクション 2 チョコレート工場の秘密』 ロアルド  ダール∥著,クェンティン  ブレイク∥絵,柳瀬  尚紀∥訳 評論社 (YA 938 /ダ /2) 高学年~
 誰も中の様子や働く人を見たことがない、なぞのチョコレート工場に5人の子どもたちが招待されることに…。人気映画の原作としても有名な、大人が読んでもワクワクドキドキする楽しい名作童話。
続編『ロアルド・ダールコレクション 5  ガラスの大エレベーター』(YA 938 /ダ /5)もおすすめ!続編では、チャーリー一家がエレベーターに乗って帰ろうとしたところ、それは普通のエレベーターではなく…宇宙に飛び出したり、不気味な生き物に遭遇したり…奇想天外で楽しいおはなしです。

3.児童書『チョコレート戦争』 大石  真∥作 北田 卓史∥え 理論社  (K 913 /オ /) 中学年~
  人気の洋菓子屋さんのショーウィンドーに飾られたチョコレートでできたお城。小学生の光一と明が思わず見とれていたその時、目の前のガラスが割れて、店員さんに犯人扱いされてしまう。やってないといっても信じてもらえない二人は、戦うことを決意。作戦をたて、周りをまきこんで、ドキドキハラハラのチョコレート戦争がはじまる!

4.絵本『すきっていわなきゃだめ?』村 深月∥作 今日 マチ子∥絵 瀧井 朝世∥編 岩崎書店   (E /キ/)
 友だちには言えないけれど、本当は好きな人がいる小学生の「すき」の気持ちを描いた絵本。もっと好きな人のことを知りたいと思ったり、好きだからこそ苦しくなったり…。
2022-01-26 16:20:00

おすすめ本の紹介 vol.3

カテゴリ : ■ふるさと会館より
2021ユーキャン新語・流行語大賞にノミネートされ、SDGs(持続可能な開発目標)の達成すべき目標の一つにも設定されている「ジェンダー平等」という言葉、今年は耳にする機会が多かったのではないでしょうか?
そもそも「ジェンダー」とは…
『世界がぐっと近くなるSDGsとボクらをつなぐ本』 池上 彰∥監修 学研プラス (K333/セ/)によりますと、
゛男女の違いには、生きものとしての体のつくりの違いのほかに、「男っぽさ」「女っぽさ」といったイメージによる違いがあります。これらは社会の中でいつのまにか作られるもので、「ジェンダー」と呼ばれます。”
今回は、そういったジェンダーに関連する作品を紹介します。

1.『女子という呪い』 雨宮 処凛∥著 集英社クリエイティブ  (367 /ア/)
 男性だと言われないのに、女性だと投げかけられる言葉、求められる女子力…。社会に対してこれって変じゃない?と思ったことを綴った作品。

2.『さよなら、男社会』 尹 雄大∥著 亜紀書房 ( 367 /ユ/)
 男性である著者がこれまでの体験を振り返り、男性の生きづらさや「男社会」がどのようにして形作られているのかを分析した作品。

3.『三つ編み』 レティシア  コロンバニ∥著,齋藤 可津子∥訳 早川書房 (953 /コ/)
  かけ離れた場所で生きる3人の女性が、それぞれの人生の困難に立ち向かう時、3人の人生が三つ編みのように交差していく物語。インドで不可触民として生活し、娘には教育を受けて代々続く生活から抜け出してくれることを望むスミタ。イタリアで父の会社を引き継いだジュリアは、会社や家族を救うために望まぬ結婚を母親に強いられる。カナダで弁護士として活躍するシングルマザーのサラは、病気の発覚により周囲の態度が変わり、出世への道が閉ざされてしまう…

4.『82年生まれ、キム・ジヨン』 チョ ナムジュ∥著,斎藤 真理子∥訳 筑摩書房   (929/チ/)
 誕生、学生時代、受験、就職、結婚、育児…。キム・ジヨンの人生を振り返る中で、女性であるがゆえに立ちはだかる困難と差別を描く小説。韓国を舞台にした作品ですが、現代の日本にも共通していることが多く、きっとたくさんの人が当たり前のように思っていたけれど、言われてみるとおかしいなということに気づかされる一冊。
2021-12-08 11:44:05

サンタさんからのプレゼント?!

カテゴリ : ■ふるさと会館より
10月30日より、匿名で寄贈していただいた図書カードで購入した本のコーナーを、カウンター前に設置しています。

コーナー

図書カードは毎年12月に郵送で送っていただいており、
送り主はどなたか分かりませんが、昨年も12月に10万円分の図書カードを送っていただきました。

その図書カードは児童書や通常の予算では手の届きにくい本の購入に使わせいただき、
こちらのコーナーには昔話のシリーズや、英語で書かれたディズニー映画の絵本、しかけ絵本などを展示しています。
コーナー  

コーナー展示
初日から、小さいお子様だけでなく大人の方まで興味深く見ていただいており、今後もたくさんの方に利用していただけたら、と願っています。

どなたか存じ上げませんが、本当にありがとうございます。
2021-11-03 15:59:16

おすすめ本の紹介 vol.2

カテゴリ : ■ふるさと会館より
 3月21日は国連が制定した“国際人種差別撤廃デー”だそうです。
あまり聞きなじみのない記念日ですが、最近では新型コロナウイルスの影響によるアジア人差別など、人種差別が原因で起こった痛ましい事件のニュースを耳にすることも多くなりました。この日にちなんで、読書を通じて、異なる人種や信仰・文化をもつ人たちに思いをめぐらせてみてはいかがでしょうか。

1.『ザ・ヘイト・ユー・ギヴ  あなたがくれた憎しみ』
アンジー  トーマス∥作,服部  理佳∥訳 岩崎書店 (YA 933 /ト /)

 女子高生スターはある日、幼なじみの黒人少年カリルが目の前で白人警官によって射殺される現場に居合わせる。何もしていないのに、カリルに射殺される原因があったかのように報道される現状に、スターは覚悟を決めて声を上げる。
 貧困の連鎖、幼くして身近にある麻薬やギャングの抗争など、現代のアメリカ社会に存在する人種問題、ブラック・ライヴズ・マターの背景を知るのにおすすめの物語です。

2.『ねえさんの青いヒジャブ』
イブティハージ  ムハンマド∥文,S.K.アリ∥文,ハテム  アリ∥絵,野坂 悦子∥訳 BL出版 (E/ア/)
 ファイザーのおねえさん・アシヤが、はじめて学校にヒジャブ(イスラム教の女性が頭を覆い隠すために身に着けるスカーフのようなもの)をつけていく日、ファイザーは美しい姉の姿を誇らしく思う気持ちとわくわくでいっぱい。けれど、文化の違いを理解できずに、ヒジャブをばかにしたり、いじわるな言葉を投げかける子たちが…。
 少数派であるがゆえに差別やいじめを経験しても、自信をもって生きる姉妹とその母親の言葉に勇気をもらう絵本。


3.『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』
ブレイディみかこ∥著 新潮社 (376 /ブ/)
 イギリスに住む、白人の父親と日本人の母親の下で、人種も貧富も入り混じる元・底辺中学校に入学した息子。そこで、人種差別・格差・性・アイデンティティなど世界共通の社会問題にぶつかりながらも、冷静に、他者を思いやり、成長していく姿を母親の視点から描いたノンフィクション。
 母親の母国・日本で投げかけられた言葉や体験も綴られており、ハッとさせられるとともに、日本にいるとなかなか考えが及ばない多様な考え方に気づかせてくれる一冊。

4.『パチンコ』上・下
ミン  ジン  リー∥著,池田 真紀子∥訳 文藝春秋 (933 /リ /1, 933 /リ /2)
 4世代にわたる在日コリアン一家の人生を描いた大河小説。日本統治下の韓国の田舎に住む夫婦は、娘を授かる。その娘はやがて夫と大阪・鶴橋に渡り、酷い差別や劣悪な環境の中で懸命に働き、戦中から戦後までを生き抜く。そして物語はその子ども、孫の人生へと続いていく。
 上下巻合わせて700ページ以上ありますが、何世代にも続く人種差別の中で、それぞれが苦悩と葛藤を感じながらも力強く生きようとする姿にどんどん引き込まれ、あっという間に読んでしまう物語です。
2021-03-19 16:14:47

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